のぞみのバセドウ病記録

しがない会社員のバセドウ病治療の記録です。

第14回 退院かと思いきや

昨日のブログでドレーンが抜けたら退院!と書いていたのですが、
昨日、日曜日なのに見に来てくださった先生のおかげでドレーンを抜いてもらうことができました!
使っていたドレーンは、外径φ6くらい?のビニールの管なんですけど、これがキズの近くの皮膚から、ぬんっと突き出してるんですよね。
見た目、けっこう怖いです。私の体、ここに穴空いてるの?どうなっているんだろうって。

これを入れる理由は、手術でキズを閉じたあとに周りの組織から出てくる血液や滲出液を抜くためらしいです。
首はお腹とかに比べるとスペースが少ないため、出血とかがあると別の組織を圧迫しやすくて、とくに気管を圧迫してしまうと、呼吸困難に陥るので命の危険もあるらしいです。
なので、ドレーンを取る時期というのは排液量(目安は10ml/日以下)や液状(鮮血かどうかなど)をみて、医師が安全と判断してから外すそうです。

で、これを処置後(痛いのかと思ったら、気持ち悪かった)、「明日退院です、今日はシャワーしても良いですよ」と言ってもらい、るんるんでお風呂へ🛀
数日ぶりのシャワーは最高でした……。

そんなこんなで(ついに退院か、最後の夕飯だな)なんて、謎の寂しい気持ちで夕飯を食べたあと、19:30くらいかな。
急に、なんかのどに違和感が。

最初は、あれ?なんかドレーンがあった内側あたりが痛いな?
という感じでした。
とはいえ、まあ今日抜いたばかりだし多少の違和感は仕方ないのかな、と思う程度。
痛み止めを飲めば落ち着くかと思い、飲んで様子を見ることに。

でもそれが、30分経っても1時間経っても全然落ち着かなくて。むしろ、腫れが出てきました。
焦ってナースコールして看護師さんに訴えたところ、
「あれ?ホントだ。ちょっと腫れてるね。ご飯のとき平気だったのにね?先生に電話してくる」と。
10分後、看護師さんが「先生今から来るって」と言いに来たときにも、腫れがひどくなってきて。
その後も時間を追うごとにどんどん腫れていき、痛みも強くなっていきました。
痛みが強いので、看護師さんに坐薬も入れてもらい、痛み止めフル活用状態に。

先生がベッドに到着したのが21時過ぎ頃。
このときはもう下を向けないくらいに首が腫れていました。
先生が診て触って看護師さんから説明をしてもらって、出た答えは「切らないと(再手術しないと)駄目かな」でした。

「ちょっとここでいま応急処置しよう。首のキズのところ切って、いま出てきてる血をとっちゃいましょう」と。

えぇぇ今!?ここで切るの!?病室だけど?絶対痛いよね?てかもうちょっとで消灯時間だけど!隣のベッドの患者さんまじごめん
などと思ってる間に、くっついてきている首のキズをはさみ(たぶん)で切って、出血をガーゼで吸い取る作業をしていきました。
痛み止めを上から下から入れているとはいえ、麻酔なしでの処置。もう、痛くてよくわからなかったです。
けっこうな勢いで出血していたようで刃を入れる度にガーゼを当てていて、ガーゼ越しに染み込んだ血の感覚を味わいました。温かかったです……。

1回目のそれが終わりガーゼを首に貼り付けてから、これから始まる緊急手術へ向けての準備が始まりました。

同意書にサインして、手術着に着替えて、採血と点滴をして。
最初耳鼻科の主治医がひとりで診に来てくださったのですが、いつの間にか病院の耳鼻科医3人が全員集合してました。

急遽決まったので手術室が埋まっていて、空くまでに2時間程の待ち時間がありました。
その間もどんどん出血していて、放置すると気管を圧迫して危ないということで、何度かこの「応急処置」をしました。
先生3人に囲まれてみんなに首を切ってもらっている光景は、なんとも言えなかったです。今後味わうことはないでしょう。
ハサミが首に入るのが怖くて、チョキンチョキンと切られる感覚も痛すぎて、訳わからなくて「いーたーいー」と言いながら泣きました。
今も枕元に、その時に使った血液を吸い込むボトルが。血が入ってるのでブログには載せませんが、戦いの跡を物語っています。

このとき思っていたことは、医師ってほんとにすごいわ、ということと、看護師さんは天使だ、ということかな。
生きた心地がしなかったけど、看護師さん達が「痛かったね、痛みに強いよ、よく耐えた、頑張ったね」等々めっちゃ褒めて慰めてくれたので、なんとか耐えられました……。

自分で見えない部分を切っていたので視覚的なトラウマはあまりなく、先生に囲まれてて圧迫感があったなぁ、くらいで意外と大丈夫ですが、傍から見たらなかなかの衝撃映像だったと思います。
そんな中、作業したり励ましたりしてくれて本当にありがとう、という気持ちしかありませんでした。